空転日記

はばかりながら はばかる

不景気のほうが良いこともある

うちのマンションはアンティークである。中古ともいう。アンティークなのでローンの支払いもそんなに多くはない。同じような物件に住み家賃を払うより安い。

小泉政権が郵政民営化を進め、ヒューザーのマンション耐震偽装が大問題になっていた頃、ローンを組んでマンションを買った。たくさんの知人からアドバイスをもらった。そのほとんどは、「金利が上がるとたいへんだから、固定金利を選ぶべきだ」というものだ。

僕は低金利はまだまだ続くと思っていたので、変動金利を選んだ。「失われた10年」の傷がまだ癒えていないなか、しばらくバブル景気のよう金利上昇は起きないと思っただけだ。それからだいぶたつが、金利は上がらす、ローンの支払いも順調だ。

その時、金利が上がると言っていたのは昭和のバブル世代の人たちだ。

いわく、好景気になると給料が上がり物価が上がり金利が上がり株価も上がる。そして金利はすごいことになるから、今は損でも長期固定にした方が得だし安心だ。そして、そんな状態を望んでいるように思えた。

これは昭和時代の経済観だし、銀行は固定金利のほうが儲かる。新聞もテレビ局も銀行から金を借り、広告も出しているので銀行の儲けに手を貸す。

バブルの頃は景気がよくてみんな豊かだったというのは都市伝説だ。

ちょっとしたマンションの価格が1億円を越え、金利は高騰して、いくら払っても元本が減らないなんてもこともあった。恩恵を受けるのはわずかな勝ち組で、普通の人は家を買えない時代だった。「マル金」「マル貧」なんて言葉が流行ったように、取り残される貧乏人も大勢いた。

僕が高校生の時バブルがはじけた。大学生の時も超就職氷河期だ。ロストジェネレーションなんで言われる世代だ。ジュラシックパークみたいでカッコいい。それはロストワールドだ。しかし損ばかりしているわけではない。低金利の恩恵を受けている。

景気がいいと、ローンを組む必要のない金持ちは金利で得をする。

景気が悪いと、ローンを組む貧乏人は低金利で得をする。

不景気になると、自動的に金持ちから貧乏人に資産の移動が起きるともいえる。銀行でローンが組める程度の収入と信用があれば、このような恩恵を受けることができる。僕のような安月給のサラリーマン(父子家庭)にとっては、不景気が嬉しい。それに景気が上がっても給料は上がらないし、いいことはない。