射手座のひとりごと

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

コスプレ〜地球の危機〜

勤め先への最寄り駅を降りると大きな荷物を持った若者でごった返していた。近隣施設でコスプレイベントがあるらしい。

昼時に外に出た。するとコスプレイヤーが外の公園にも出没し、カメラを手にした撮影者がそれぞれに行列を作って順番を待っている。すんごい近くで撮っているのにそんな長いレンズいるかと突っ込みたくなるが、重いカメラを片手にレフ板をもう一方の手で操りテキパキと撮影している。それなりに腕力がないと出来ない芸当である。

コスプレイヤーが扮するキャラクターは主にアニメの登場人物だろうが、なんなのかはまったくわからない。女の子は露出の多い服が多く、髪の毛は色とりどりで南国の鳥のようである。

衣装は手作りが多いと聞く。大変手間がかかっており材料費もすごくかかるだろう。

そんな中、ひとり野球のユニフォームを着ている人がいる。はて、なんのキャラだろう。「アパッチ野球団」か「ライパチくん」か「巨人の星」か、「がんばれタブチくん」か?あるいはコスプレではなく本物の野球選手なのかもしれない。

この光景を眺めているとなんだかよくわからなくなってくる。カメラを手にしている撮影者もコスプレ好きのカメラマンのコスプレをしているのではないか。

僕も公園に佇む勤め人のコスプレをしているのかもしれない。「自分って何」という根源的な問いが湧いてくる。コスプレは哲学だと認識を新たにした。

 

しかし今ここに、UFOに乗った異星人が現れたらどうなるだろう。この異星人は人類と友好関係を結ぶか、人類を滅亡させるかの判断を託されてきたのである。UFOが着陸しタラップから光とともに異星人が「チキュウノミナサンコンニチハ」とコスプレイヤーでカオス状態の公園に登場するのだ。これがファーストコンタクトである。

しかし異星人の存在はこの状況においてまったく違和感がない。単なるマイナーなキャラクターとしか見られないだろう。撮影の対象にはなるかもしれないが、ほぼ黙殺されるのではないか。

地球人に対して重大なメッセージを伝えてもスルーされロクに相手にされない。この状況はヤバイ。たいへんヤバイ。しかも異星人が野球嫌いだったら最悪だ。

こんな奴らと友好関係は結べぬと、人類への総攻撃を決断し、滅亡へのカウントダウンが始まってしまうかもしれない。

このように(?)コスプレに対する宇宙的な理解はまだまだ進んでいないのである。