空転日記

はばかりながら はばかる

須賀川第一中学女子柔道部暴行障害事件の被害者が亡くなっていた…

2003年、福島県須賀川市第一中学校の柔道部で事件が起きる。

1年生の女子部員が練習中に重症を負った。女子部員は足を痛めて休憩中していたら、上級生の男子部員から叱責され、頭から落ちるような投げ技などの暴行を執拗に受け意識を失った。男子部員は身長180cm体重120kg。全国大会にも出るような優秀な選手であった。

女子生徒は「急性硬膜化血腫」となり、手術は成功したが意識不明の状態が続く。女性生徒の頭部は通常の柔道の練習ではありえない衝撃を受けていて異常な行為があったとものとされる。女子生徒は意識を取り戻すことはなく、生きてゆくためには家族の献身的な介護が必要となった。

この事件はあまりに異常であったことを覚えている。事件が起きた後、学校や教育委員会は男子生徒による暴行障害行為である事実を認めなかったのである。校長は女性生徒にはもともと頭部に持病があったと嘘をつき、他の生徒や保護者にも女子生徒の病状を含め事実を隠蔽した。しかし男子生徒による「いじめ」や暴力行為が常態化していたことは周知の事実であり、両親に告発の投書が届いたりもした。

女性生徒の両親は裁判で戦い、福島地方裁判所は指導を怠った顧問を監督する市や県の過失や、責任から逃れようとする関係者の行為などを認め、男子生徒とともに賠償金の支払いを命じる。

この事件をよく覚えているのは、当時インターネット掲示板「2ちゃんねる」で大変な騒ぎになったからである。僕はちょうどその頃、インターネットの面白さに気づき始めた頃だったので、この「須賀川第一中学女子柔道部暴行障害事件」は強く印象に残っている。2ちゃんねるではたくさんのスレッドが乱立する「祭り」状態となった。罪のない女子生徒に対する応援と、学校や教育委員会そして男子生徒に関する怒りで満たされた。女性生徒の自宅にはたくさんの千羽鶴が送られ、学校や教育委員会にはたくさんの抗議が押し寄せた。

中には過激な誹謗中傷もあったが、そこにはインターネット発の「社会正義」があった。そしてあまりに酷い事件なのに、積極的に報道しない既存のメディアに対する怒りもあった。ネットでは様々な情報が飛び交い白熱しているのに、テレビや新聞は沈黙していることに呆れるとともに、インターネットが古いメディアに取って代わり、時代を変えてゆく感じもあった。テレビがこの事件について特集番組を放送したのはだいぶ経ってからである。

今ではインターネットはより一般化した。お年寄りがスマートフォン使いこなす時代である。そりゃ内容も意味も薄くなる。そして既存のメディアはある意味で「普通」になったインターネットに擦り寄りみっともなく生き残ろうとしている。

そしてインターネットはバイトがバカ行為を拡散して炎上するための悪ふざけの場になってしまった。それが平和なのかもしれないが、少々物足りない。

そして「須賀川第一中学女子柔道部暴行障害事件」の被害女性は2018年9月12日に急性気管支性肺炎で亡くなっていたことを知った。27歳になっていたそうだ。

ご冥福をお祈りします。