安倍政権から菅政権に代わった。
安倍政権下で左翼は劣化し、もはや白痴化したのではと思っている。
左翼の理想主義は安倍政権の現実主義に敗北した。要因の一つは左翼思想が学生運動あたりからアップデートされていないことである。
その学生運動にしても、エリートであった学生の青臭い反抗から始まり、大人に利用された結果、日米同盟を強固にするという残念な結果に終わっている。学生たちはことが済むと、あれだけ反抗した社会や資本主義の中に入り込み恩恵を受けながら、無政府共産主義とでも言うべき身勝手な思想を夢想し続け、「なんとなく左翼」として人生を送った。そんな思い出を回想し「政治の季節だった」とか「あの頃は熱かった」などと言い、必ず最近の若者は政治に無関心だと説教たれる世代も、そろそろ社会から引退した。が、その思想の残滓やそれを受け継ぐ組織は社会のあちこちに残っている。メディアや日本学術会議である。
もはや「なんとなく左翼」は正義ではなく、民意の支持もうすい。一部の左翼がSNSで騒ぐ声をメディアが拡声しているだけである。発足早々菅政権が日本学術会議に手を入れてきたのは、勝算があると踏んでいるからだ。
安倍ー菅政権は右翼ではなく現実主義であり経済政策はリベラルですらある。企業に賃上げを要求したり、コロナ対策にしても批判がでたら予算を組み替えて10万円給付したりしているではないか。もちろん政策や官邸のあり方などの問題点はど山ほどある。しかし大体の方向性は間違っていなかったのだ。もうGOTOキャンペーン自体への批判はないじゃないか。PCR検査に抑制的であったことは正しかったではないか。
安保法案や共謀罪のときも、散々騒いだが何も起きてはいない。
左翼は敵が見えていないオオカミ少年になってしまった。
リベラル現実主義である今の自民党政権と対するのに、敵は右翼で戦争万歳で帝国主義だと思っているのだ。そしてそんな政府はなくなってしまえと無政府共産主義に走るのである。時代や民意かみ合っていないのだ。SNSで観察する分には面白いが。
現実を見つめ総括すると自己矛盾を引き起こしてしまうので、現実から逃げている様に見えて仕方がない。
左翼の衰退は必至である。これから敗退戦を戦うのだ。