射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

コロナから何も学ばなかった演劇界 伊丹アイホール存続問題

兵庫県伊丹市が維持・運営する演劇ホール「伊丹アイホール」が存続の危機だという。有名劇団が使用し関西演劇界の聖地と呼ばれているらしい。知らんけど。

指定管理料が年間9000万円かかり、老朽化に伴う設備更新費用が約4億円かかるという。舞台は可動式で客席は最大300人。そりゃ元が取れるはずがない。主催事業は持ち出しだろうし赤字を垂れ流し続けてきたのだろう。

まさにバブル期の箱物行政を体現する施設である。当時ホールを作った役人はとっくに引退して悠々と年金暮らしであろう。施設が老朽化して改修する未来まで考えていたわけがない。

バブル期に1自治体に1ホールと大ホールの建築ラッシュが起きた。成人式くらい体育館じゃなく立派なホールでやりたいものじゃと思ったのでしょう。田舎の田んぼのド真ん中にそびえたつ立派な建物は大ホールかパチンコホールであった。

そして現在、その時代に建てられた立派な公共ホールはどこも同じように存続に苦慮している。改修費用が捻出できず、業者への委託管理料も下げられ、運営の質も下がっている。おらの町にこんな立派なホールいらんかったんや、成人式も体育館でよかったんやと方針転換である。

一般的に公共ホールは日本舞踊や歌舞伎などの伝統芸能、バレエ、演劇、ピアノの発表会、クラシックコンサート、式典などが開催可能である。そのように多目的であっても運営は難しくなっている現在において演劇専用ホールでは立ちいかないし、潰しも利かない。
おそらくアイホールも老朽化で舞台設備、吊物設備、音響、照明など耐用年数が過ぎ危険な状態で、かつ時代遅れの設備になっているだろう。維持しようとすれば、多額の費用をかけた大規模改修が必須である。かなり切羽詰っているのだろうと思う。

当然、維持する必要があるか?と検討するのは行政としてはごもっともすぎである。しかも伊丹市民のアイホールに対する知名度も利用率も低い。

したがいまして、存続を求めて立ち上がったのは伊丹市民ではなく「演劇人」である。

ニュースでは、ジーパンにTシャツにピンクのカーディガンを着た日本劇作家協会会長である渡辺えりが、伊丹市長に直談判する様子が映し出されていた。

まずあきれたのはその格好である。伊丹市長はアイホールの実質的なオーナーみたいなものだろうに、コンビ二に発泡酒買いに来たオバちゃんのようなそのファッションはないだろう。そりゃ市長相手にそんなにへりくだる必要はないが、いくらなんでも失礼だし、テレビでも放送されるのだぞ。

そして小劇場や演劇は生きるために必要だから劇場を存続するのは当然だと圧力をかけんばかりの渡辺えりに対して、演劇界の聖地を伊丹市だけで支えることに市民の理解は得られないという冷静で至極もっともな市長の言葉が突きつけられる。しかもやさしく諭すような言い方で。明らかに勝負あり。コロナ渦でも矢面に立ったはいいが、理解を得るどころか反感を買った渡辺えり節は変らず健在。

直談判後にカメラの前で市民の理解がないことを突きつけられ驚いたと言う渡辺えり。演劇は広く社会に向けて作られておらず演劇関係者に向けて作られている。演劇村で生きてきて、ちょっと世間を知らなさずぎるんじゃないの?

同じくアイホール存続を訴えている平田オリザもインタビューに答えていた。
よりによって、新型コロナ感染拡大の初期において演劇界の評判を落としまくり、過去には民主党政権の鳩山首相の所信表明演説の演出をした人物である。最近は劇団の本拠地を兵庫県豊岡市に移転し、行政から予算を引っ張り出し演劇祭などをやっている。演劇業界では「地味な秋元康」と呼ばれている。いや呼ばれていない。

平田オリザはインタビューで、伊丹市民がアイホールの存続に否定的なことに理解は示しつつ、「だから本当は周りがもっと支援するなり、国がもっと積極的に支援する必要があるでしょうね」という。当然国が支援しろと?まず演劇人が支援することを考えろよ。相変わらす自ら反感を買いに行くストロングスタイル。

ためしに演劇人で資金を出し合って伊丹アイホールを買い取って運営してみればいい。1年持たずに破綻するから。どれだけ行政と納税者である市民の無理解におんぶに抱っこで守られているか分かるから。

しかし、こういった演劇がらみのニュースに出てくるのは渡辺えりと平田オリザである確率が高い。これでいいのか演劇人?他に人材はいないのか?

おまけに渡辺えりや平田オリザはたしかに重鎮かもしれないが、その意見に反対する演劇人はいないのか?長に対して物申せぬのは演劇村の掟なのか?
このような村は早晩滅ぶ。知らんけど。