進歩的文化人界隈から糸井重里は嫌われている。何がそんなに嫌なんだろう。
東京オリンピックに対して肯定的な姿勢であったこととか、ウーバーイーツを批判したりしたことだろうか。軽妙なコピーを作りバブルと遊んだイメージからだろうか。
糸井重里といえばトトロのお父さんである。
いや正確に言えばトトロのお父さんではなく、サツキとメイのお父さんである。
映画の公開当時はその棒読み演技は違和感があったかもしれないが、今ではすっかりそれが味になっており、素人声優起用の草分けと認知されれるまでになった。
おかげで「耳をすませば」での立花隆の起用につながった。すごい功績……だな。
映画評論家の町山智浩はこの「となりのトトロ」での糸井重里の演技を絶賛していたのだが、糸井が体制寄りと知るや批判し始めて、ついには声を差し変えろと言い出した。この映画評論家は信用できんな。
80年代にコピーライターとして活躍、テレビにも良く出ていたし、名作ゲーム「MOTHER」を作ったりもした。まさにマルチな才能を持つ人である。
資本主義の寄生虫などと批判するならその頃に言ってれば良かったのにね。
糸井重里自身はそんなに面白くない。これは本人も自覚している。
しかしいつもどこかにいる。探せばいる。そしてなんか面白そうなことをやっている。資本主義が生み出した座敷童子である。
余裕のない人達にとって、その座敷童子感が怖いのではないか。
なんでこの人消えないんだよ。ずっといるよ。後がつかえていのに!
今活躍している自称文化人のみなさんの中で「10年後に残る人はいるか」と考えると、「いないんじゃない」としか思えないなあ。そりゃ余裕がないわけだ。
そういう人達のターゲットにされている糸井重里だが、どんなに批判されても「イトイ的」な大人の対応を気取るだろう。そこがまたムカツクというところだろう。