ロシア軍のウクライナ侵攻開始から3週間を経過した。詳しい状況は相変わらずよく分からないが、膠着状態であるのだろう。当初はプーチンは短期間でウクライナ全土を掌握するはずであるという見立てであったが、どうも違っている。
そもそも広大なウクライナ国土をすべて掌握することは無理ゲーなのだが、プーチンはおかしくなっているという点をもって、冷静な分析は行われていない。
本当にプーチンが狂っているのならとっくにウクライナの主要都市に核ミサイルを撃ち込んでいるのではないかと思うのだが。
おまけにウクライナからの情報は官民問わずSNSで発信されることが多く、たとえばウクライナ軍の公式発表などを直接見聞きすることはない。報道もされない。
「~と思われる」「~と言っている」程度の情報が飛び交い、それがツイッターで拡散されている。具体的なデータも根拠もなく、ウクライナ軍とその国民は士気高く善戦しているという。
ほぼ廃墟と化した集合住宅にロシア軍と思われる戦車が砲弾を撃ち込む映像が、繰り返しテレビで流されている。住民は残っているかもしれないが、おそらく避難は済んでいるだろうと思われる建物である。そこに戦車が砲弾を撃ち込む意味はないし、伝え聞く戦局を考えると一発の砲弾だってムダに出来ないはずだ。不可解な映像である。
そしてロシア軍は今だ制空権を取れていないという。戦力差を考えるとそれも不思議である。開戦して直ぐにウクライナの主要軍事施設はロシア軍によって壊滅したといっていなかったか?主要都市への爆撃は威嚇程度で、はまだ本格的には行われていないと思われる。
素人考えではあるが、ロシア軍は本格的な侵攻が「できない」のではなく、あえて「していない」のではないか。ロシア軍の目的は「ウクライナの東西分割」ではないかと考えている。そして現段階の戦闘の主たる目的は「脅し」なのだ。
先にロシアは東部のドネツク州とルガンスク州の独立を承認し、この2州はウクライナではないと認定したわけだ。その2州とすでに併合しているクリミアを繋ぐルートは確実に制圧するだろう。これでロシア本土からクリミアまで陸路で繋がる。
ある段階で停戦し、ロシア軍はウクライナ西部から撤収、ドニプエル川の東岸に防衛ラインを敷くのではないかと思っている。そうなると首都キエフもドニプエル川によって分断される。ドニプエル川がベルリンの壁となるのだ。そして西部のみとなったウクライナには緩衝地帯としての軍事的中立を求めるだろう。
長期的にみればキエフの東側返還とか、ウクライナ東部の返還などが交渉材料となるだろう。最低でもクリミアへの陸路が確保できれば良い。
もしウクライナが東西分割されれば、長期的に軍事的緊張感をもたらし、第3次世界大戦への道となるかもしれない。
ゼレンスキー大統領の立ち振る舞いや、しょぼい援助のみで「連帯」の意思を示すのみの欧米各国を見ていると葛藤がない。したがってある種の筋書きがあると思えてしかたがない。
新型コロナをスペイン風邪と重ね合わせると、これより戦争の時代になるだろうと感じる。歴史は繰り返すからだ。戦争で儲けたい輩がいるのも変わりはない。
時計の針が戻りつつある。大日本帝国の復活も近いかもしれない。なんてね。