「付き人」「旅人」「世捨て人」など昔からある言葉は「~人(びと)」と読ませるものが多く、新しく作られたことばは「~人(じん)」と読ませることが主流である。「~人(びと)」はなんとなく古風な感じがして良い。
最近では工事現場でお辞儀をしている看板は「おじぎびと」と呼ばれている。どことなくユーモラスな語感が道行くひと「びと」の工事現場への印象を良くするだろう。
神奈川県大和市で「こもりびと支援条例」を制定するそうだ。いわゆる「ひきこもり」をより温かみのある呼称「こもりびと」とし、相談窓口を設置し、当事者の集いなど開催し当事者や家族を支援するという。おそらく映画「おくりびと」あたりから着想を得ての名称変更だろう。センスは悪くないし耳目を集める効果はあるだろうが、どこか小バカにしている気がするのは僕の心が黒いからか。
ネットでは暴走族を「珍走団」と呼ぶことがある。珍妙な名前にしてしまえば、恥ずかしくてやってられなくなり暴走族を減らすことができるという趣向である。これはとてもいい思うのだがなかなか広まらない。
不良にとって少年院上がりというのは、その経歴に箔を付け一種の誇りになっているという。いい大人になって「おれは少年院あがりだから」と言うのがカッコいいらしい。
なので「少年院」も「ぽんぽこ院」とかに名称を変更したらいい。「おれはぽんぽこ院上がりだぜ」なんて恥ずかしくて言えないだろうし、少年犯罪の現象に寄与するのではないか。
柔らかい印象の「こもりびと」に名称を変更し、当事者のその行動を理解し、場所を作ってあげたらひきこもり問題は解決しない。ひきこもりもいっそ恥ずかしい名前に変えてしまったら、問題は解決に向うはずだ。
それにネットが普及しスマホやPCがあるのだから、今のひきこもりはひきこもっていないとも言える。外にでなくてもユーチューバーにだってなれるし、株の取引だって出来る。親が経済的に困っていないなら、放置でよし。