射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

静岡の台風被害を報じないマスコミ

先日の台風15号は各地に影響をもたらした。特に静岡県の中西部地域で大規模な浸水や土砂崩れ、停電などの被害が発生した。

静岡市の発表では清水区で大規模な断水が発生し今だに解消していない。

この静岡県の台風被害に対してテレビ新聞などの報道が少なすぎるのではないかという意見が、ソーシャルメディアで散見される。

台風と安倍元総理国葬が重なったこともあり、マスコミは国葬報道を優先したのではないかとみる向きもあったが、国葬が終わっても台風被害報道が劇的に増えたりしない。マスコミが国葬報道に重きを置いていたのは確かであろうが、そもそも台風被害を最初から重視していなかったのではないかと思う。

近年毎年のように台風や豪雨被害が報じられ日本のどこかで浸水や土砂崩れの被害が発生する。その状況にすっかり慣れてしまい、ニュースバリューがないと判断されたのではないか。ニュースを受けとる視聴者も「ああまたか」となってきていると感じる。

静岡県の地理的な問題もあると思う。静岡県は横に長く、東京大阪などから案外距離がある。日帰りでは取材しにくい。苦労して取材したところで、被災者がリアルタイムで発するSNSの情報に負けてしまう。

SNS上で被災者が被害状況を動画でアップすると、大手マスコミのアカウントが取材申込みを始めるのは当たり前になった。マスコミはSNS上で情報収集、取材までこなせるようになってしまった。大手の新聞社やテレビ局の存在意義がかつてなく揺らいでいる。

静岡といえば熱海市伊豆山土石流災害があった。

いくつかの報道に触れたしテレビのドキュメンタリーも見た。原因となった盛土を作った業者が役所の担当者と面談するシーンがあり、その業者はヤクザまがいの恫喝を行っていた。そんな業者相手では行政側も対応に苦慮しただろうなという印象を作り出す。役所も業者もカメラが入ることを承諾しているのだろうから、これらはすべて作り物である。

しかし原因となった業者は今だ名前を伏せられ、行政の責任も強く追及しない。被害者からすればメディアの姿勢は許せないものだろう。しかしマスコミにも優先順位や多くを語れない事情があるのだろう。

マスコミは社会正義の実現の為にあるものではないし日本のために活動しているのかも疑わしい。もう期待するのをやめたほうがいい。良し悪しはあるが個々に情報を発信できる時代なのだから。