射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

タワマン住民は覗き魔か 朝日新聞の偏見

大量のコンクリートを使用するダムのような建築物は環境破壊の象徴として嫌われる傾向がある。最近あちこちに建築されるタワーマンションも同様である。
タワーマンションの建築計画が発せられると、どこからともなく請負人のような輩が現れ、地域住民を巻き込み反対運動が起きる。反対運動が起きたからといって明らかな法令違反がなければ建築を止めることはできない。それも承知の上で多少の妥協や譲歩を引き出すのみである。マンションデベロッパーも心得ており、はなから余分を持たせた建築計画から始めるのだ。

名門女子高の桜陰学園のとなりにに地上20階建てのタワーマンションの建設が計画されていると朝日新聞が記事にした。通常の反対運動とはやや違う切り口である。

その記事が2点の偏見に満ちており興味深い。

記事によると、隣にタワーマンションが建設されたら教室を覗かれてしまい、生徒・学生のプライバシーが守られなくなるという。しかし現在でもその敷地には地上8階地下1階のマンションが立っており、立て替えてタワマンにするわけである。

一般的な校舎ならせいぜい4~5階であろうから、現在の8階建てマンションからでも覗き放題。それが問題になっていないということは、現在のマンションに覗き魔はおらず「タワーマンションには覗き魔が住む」と決め付けているのである。
これが1つ目の偏見。

そして記事では桜陰学園が名門であると強調する。
「女子御三家」であり、進学実績は全国トップクラスで、今年の東大合格者は77人(現役69人)であると書く。マンションの問題とは直接関係ないし、もし隣が無名のバカ学校だったら記事にもしまい。高学歴や名門校を崇拝し、低学歴を馬鹿にしていることが透けて見える。
これが2つ目の偏見。

朝日新聞の記者はみんな高学歴なのだ。かつて受験戦争が苛烈だったころに巻き起こった「学歴偏重への反対運動」をやっていたのも高学歴のマスコミなのだ。

今や大学全入時代に突入しバカでも大学に入れる。あちこちで大企業も傾き始め、エリート官僚だって避けられる時代。そう新聞社もね。

もう高学歴がエリートを名乗れる時代は終わっている。この桜陰学園を持ち上げる記事からは、朝日新聞の高学歴エリートに対する未練が感じられる。

朝日新聞に限らず新聞は部数を減らしている。朝日新聞でも大規模なリストラを行っていると言われている。給料も下がっているだろう。それでも十分高収入だろうが。

もしかすると朝日社員の給料では憧れのタワーマンションに手が届かす、一般的な8階建てマンションで我慢しているのかもしれない。記事からはタワーマンションに対する未練と妬みも感じられる。