射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

坂本龍一に乗っかるマスコミの「なぜ」

原発回帰の方針を示す政府を批判するメッセージを音楽家坂本龍一が東京新聞に寄せたという。3月15日の記事にある。

なぜこの国を運営する人たちはこれほどまでに原発に固執するのだろう。

から始まり「なぜ」が3回使われているのでマスコミは「なぜ」と言う言葉を効果的に利用している。内容はその道の専門家でもない反原発の音楽家によるありふれた原発・政府批判であり、居酒屋談義の域をでない。

そして今度は坂本龍一は神宮外苑の開発見直しを求め東京都知事などに要望書を送ったという。

外苑の樹木は人々に恩恵をもたらす美しい自然であり、開発は一部の既得権益者と富裕層にだけ恩恵をもたらし、SDGsの世界的な流れに反し持続可能なものとは言えない、という趣旨。

要望書を送ったのは小池知事、永岡文科相、都倉文化庁長官、吉住新宿区長、武井港区区長の5氏。神宮外苑の大半を所有する宗教法人明治神宮や開発業者の三井不動産には送っていないのは疑問である。しかも民間の開発を東京都知事の権限で止めさせることは無理なことを分かっている上である。

癌闘病中の世界的ミュージシャンだからニュースになるわけで、一般人が同じ事をしても全く黙殺される。この程度の言説に乗っかり利用するマスコミはあまりに不見識である。坂本龍一の最後の活動家としてのメッセージに乗っかり権力批判をしているに過ぎない。こういった安易なマスコミの姿勢が反対運動の足を引っ張るのだ。

大江健三郎が死んだがその小説自体より活動家として印象が強い。坂本龍一も同様に音楽家としてより活動家として歴史に残りたいのだろうか。かつてのYMOメンバー細野春臣や故高橋幸宏とはエライ違いである。