射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

「国境なき記者団」の胡散臭さを報道する自由度はいかほどか

国境なき記者団」というフランスで設立された非政府組織が毎年発表している「世界報道の自由度ランキング」によると、日本は前年の71位から少し順位を上げたものの、68位であったという。G7の中で最下位である。

日本の「報道の自由度ランキング」は2010年までなんと1桁台で「報道の自由のある国」と見なされていたのだ。その後震災や原発事故などがあり、記者クラブの閉鎖性、特定秘密保護法制定などの影響からランキングは下がり続けたといわれ、今に至る。

この「国境なき記者団」の活動資金はアメリカ、カナダ、ヨーロッパ各国の政府や組織から出ているという。フランス政府からの寄付も全体の4.8%あるという。もちろん個人からの寄付も受けている。アメリカ・ヨーロッパの各政府や関連団体、財団がスポンサーであるのだから、そもそも「国境なき記者団」の主張が中立であるわけがない。

「報道の自由度ランキング」にしても調査方法も内容も根拠も明らかではない上、日本が上位の国と比べて極端に劣っているとも思えない。確かに記者クラブ制度は良くないが他の国にだって似たようなものはある。どうにも主観が入りまくっているようである。

日本メディアは故ジャニー喜多川氏の性加害スキャンダルを報じないわけだが、「国境なき記者団」もジャニーズ事務所に対する日本メディアの対応の異常さには触れない。ランキングに大きく影響を及ぼすはずが、そういう記事はない。

「国境なき記者団」の広報をおこなっているフランスの大手広告会社の株を電通が所有している。なるほど「国境なき記者団」の党派性に満ち偏向した実態は報道されず、様々なフィルターを通して加工されたアウトプットを我々は消費しているわけだ。

日本の「報道の自由度ランキング」が低い理由を、マスコミは「政府による圧力により報道が萎縮させられている」と匂わせるにとどめ、マスコミを信じない層は記者クラブなどのマスコミの閉鎖性を糾弾するにとどめる。あっちもこっちも茶番劇である。

「報道の自由度ランキング」は取るに足らない風物詩であり、年末に発表される「今年の漢字」のようなもの、そういう理解でいいのだと思う。