射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

第二次世界大戦は終結し戦争前夜へ

被爆地広島で開催しているG7サミットは極めて重要なものになった。

初めて主要7カ国の首脳がそろって平和記念資料館を視察し、被爆者からの証言を聞き、慰霊碑に献花し黙祷を捧げた。首脳たちは資料館で芳名録にそれぞれに平和を希求するメッセージを記した。

アメリカのバイデン大統領は、「この資料館で語られる物語が、平和な未来を築くという我々全員の義務を思い出させてくれることを願う。世界から核兵器を最終的に、そして永久になくせる日に向けて、共に進んでいこう。信念を貫こう!」と書いた。

主要国と足並みを揃えてアメリカの大統領が発表したメッセージとしては歴史的なものである。オバマ元大統領も来日時に同様の「核なき世界を目指す」という主旨のスピーチを行い高い評価を得たわけだから、バイデンも同様に評価しないとおかしい。

核兵器保有国のアメリカ、イギリス、フランスが何を言っているのかとする向きもあろう。実際は核兵器がなくなることはない。核兵器が無意味化するのは、核兵器を超える大量破壊兵器が開発された時である。各国首脳のメッセージは建前であり偽善である。残念だが短期間のうちに世界中で核兵器がなくなるなんて小学生の夢でしかない。

しかしそれでもいいではないか。慰霊碑に刻まれた「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」という碑文の主語に「アメリカ・ヨーロッパ」を加えたのだから。アメリカは原爆投下を正当化するために当時の日本を悪役にしてきたし日本も受け入れた来た面がある。両国の感情も変化してゆくだろう。広島は悲劇の街から復興をなした希望の街になるべきだ。

今回のサミットをもって第二次世界大戦は終わり新たなフェーズに入る

ウクライナ戦争において第三次世界大戦がすでに始まってるという見方もあるし、ロシア・中国陣営と西側陣営の分断は深まりつつある。日本にとっても戦争前夜ということになるだろう。

今回のサミットには渦中のウクライナのゼレンスキー大統領が急遽来日し参加、そしてインドをはじめとするグレート・サウスと呼ばれる国々も招待国となっている。兵器などでロシアに強く依存するインドがゼレンスキーと握手しているのは重要なメッセージとなる。そういえば最近めっきり存在感のないお隣の国韓国も来てた?

ゼレンスキー大統領はバイデンにF-16戦闘機の供与を求め、バイデンは前向きらしい。F-16戦闘機は1978年に運用が始まった兵器である。当然バージョンアップはしており今でも高性能機ではあるが、40年以上前の古い戦闘機である。ほかにも各国から戦車や戦闘車両、自走砲などがウクライナに供与されて、ちょっと古い兵器の見本市と化している。ウクライナでもロシアでも陸軍兵士が不足している。どうやら「核なき世界」を目指すと戦争の様相は第一次世界大戦時に逆戻りしたような泥臭いものになりそうである。

近い将来日本はどういう立ち位置になるか、きわめて重大な選択を迫られている。岸田総理は今回のサミットの成功(まだ終わってないけど)で安心して衆院を解散し選挙に踏み切れるだろう。こういう時代の転換期になにもできない野党のふがいなさが際立つことになる。