長野県中野市で悲惨な大量殺人事件が起きた。
男が猟銃を持って自宅に立てこもり、警察官2名を含む4名が殺害された。男の父親は市議会議長で犯人は農業を営んでいたという。今朝犯人が逮捕されたとの報道があった。
正式な逮捕を受け一部マスコミは「男」と呼んでいた犯人の実名を報じ始めた。おそらく現地では「男」が誰であるのか分かっていただろうが、実名報道は警察からの正式な発表を待つのだろう。犯人の人権に配慮しているわけである。
対照的に殺害された被害者の実名はすぐに報じられる。2名の警察官は公僕であるので実名報道に違和感はないが、後の2人は一般人である。
自分が同じように殺されたとして、実名を報じられることを良しとしない人もいるだろう。しかし死んだ人には確認できないし、文句も言われない。死者に配慮すべき人権はないのである。
人質の安全を図る意図もあるのだろうが、銃器や刃物を持って立てこもった犯人に対して警察はどこまでもやさしい。海外のようにすぐさま武装した警察官を突入させ犯人を殺害することはしない。
逮捕されたら法に則り裁判にかけられる。弁護士がついて刑を軽くするために尽力してくれる。おそらく死刑が妥当だが、死刑制度に反対する人もいる。
他人の人権を踏みにじり大量殺人を行った犯人の人権は尊重される。被害者の人権は消えてなくなるのに。
そろそろイデオロギーとしての人権思想は見直すべきだと思う。野蛮と言われる近代以前の風習からも学ぶことはあるはずである。