活字文化が衰退しているというのは嘘だ。新聞や書籍など紙媒体を中心とした業種
が落ちぶれたのである。人々はいつでもどこでもスマホを手放さず画面を凝視している。そこから得ているのはほとんど文字情報である。動画を鑑賞している人もいるが少数派だ。
ツイッターはコミュニケーションツールであると同時に一種の言論空間となり、実名匿名入り乱れ、金言名言から便所の落書きまで網羅する言葉の殴り合いが行われている。
だれでも自分の意見を広範囲に発信できる!
こんなとてつもないことが、いつの間にか出来るようになっているのだ。
匿名での誹謗中傷や脅迫も簡単にできる。昔は手紙にしたため切手を貼り郵便ポストにいれて、相手に届くのは数日後である。なんてめんどくさい!それが今では匿名アカウント作ってフリック入力であっという間である。なんて世の中だ!僕は脅迫状なんか出さんけど。フリック入力も苦手だし。逮捕されるし。
そんなこんなで言論の自由は謳歌されている。
気の毒なのは言論で飯食っていた人たちである。かつてはマスメディアや出版を通して、ごく限られた評論家やタレントだけが意見を言ったりできたのが、それがみんな出来ちゃうようになったのだ。なんて世の中だ!
相対的に評論家や専門家といった人たちの権威は下がり続けている。そして権威を振りかざしてきた人が、SNS上の殴り合いに参加しボコボコにされるのも見慣れた光景になってきた。そしてそれは左翼の衰退と同じ軌跡をたどる。
「活字文化が衰退している」というのはそういう落ちぶれた言論人の負け惜しみでしかない。