沖縄県民は時間の感覚がいいかげんだと言われる。
いわゆるウチナータイムである。時間を守るという意識が薄く行事や集会など時間通りに始まらないことが多いなんて言われる。沖縄は夜型で酒飲みが多く電車のない車社会だからそうなったと考えられるようだ。
しかし人類的にはそれくらいが普通で、一般的な日本人の時間感覚が異常に厳密なんじゃないかと思う。電車が少し遅れてもイライラし、僕なんかカップ麺にお湯を注いだ瞬間ストップウオッチを押す。タイミングがずれたら大ごとだ。
このように時間厳守である。おかしいのは一般的な日本人だ。
いずれにせよ本土の人間は、沖縄の人たちのおおらかな特性を「なんくるないさー」でまとめてしまう。
この「なんくるないさー」は「なんとなかるさ」と同じではなく、本来の意味は「正しい行いをしていれば、あるべき姿になるものだ」で「人事を尽くして天命を待つ」と同じである。それが沖縄の人はのんきでいい加減だという意味で使われている。
沖縄出身の元プロボクサー具志堅用高は後進の指導も熱心で国際ボクシング殿堂入りを果たしたエライ人である。本当は知的な人だがTVタレントとしてみせる「おバカキャラ」のせいで誤解されている。具志堅用高自身がそういうキャラを演じて成功してみせたのだからやはり頭がいい。しかし具志堅用高の「おバカキャラ」を沖縄県民のイメージと重ねてしまうのだ。
「なんくるないさー」と「具志堅用高」は本土の人間が勝手に誤解してきた「沖縄」を象徴している。沖縄の人は素朴で、おおらかで、いいかげん。不勉強。だから悪いやつに騙される。だから行って教えてあげなきゃいけない。そうやって、わけ知り顔のインテリセンセイや、原理にこだわるインチキ活動家が沖縄に行く。
沖縄基地問題の根底にあるのは、賛成反対どちらの意見にも存在する島人に対する偏見である。材料が出揃ったら沖縄の未来は島人に決めてもらえばいい。