空転日記

はばかりながら はばかる

水道「民営化」問題 メディアにある意味感心した

水道法改正法案が国会で審議されている。法案が可決すれば、水道施設の所有権を公共が有したまま、民間事業者に運営を委ねることができるという。

政府の言い分としては、現時点でも水道事業は赤字を抱え、施設の老朽化が進み、このままでは立ち行かなくなるので、民間の知恵を導入し官民連携して水道事業を維持するということ。

反対派は、民間は利益を追求するので水道料金が値上げされる、外資にのっとられたら大変だと煽る。野党の国会議員には、仮想敵国に水道事業を委託する危険性を訴える意見すらある。どこの国なんだろうか、大事なことだから言ったほうがいい。

まず水道施設の所有権や災害からの復旧の責任も各自治体が持つので、完全な「民営化」ではない。法案にも「民営化」とは書かれていない。

一部メディアは「水道民営化法案」と表記し、極端に失敗した例をあげる。どこそこの国では水道料金が5倍になったとか、暴動が起きたとか、庶民は水を使えなくなったとか。そして不自然なまでに「民間は悪」と主張し、公共のままでいいという。

なるほどテレビ局も新聞も自らを「利益ばかり追求する極悪非道の民間企業」と認めているわけか。メディアの正しい認識とその成長に感心した。

 

10年以上前に仕事で、神奈川県のある政令指定都市の公共施設に出入りしていたことがある。そこで知り合った公務員のオジサンは大変楽しい方で、なんでも本音で物を言う人であった。よく「定年までの数年間は水道局に異動したい」と言っていた。理由は「水道局は1日数回施設のメーターとか見て回るだけであとはなーんもやることがない極楽のような部署」なんだそうだ。しかも現場作業なので給料もいい、あー水道局に行きたいとうっとりした目で語っていた。もちろん今では公務員はどんどん削減されているし給料も下がっているので状況は変わっている。しかしまだまだ民間に比べれば好待遇である。

水道法改正の議論から、職員の人件費の問題が抜けている気がする。これは路線バス民営化の問題などにも通じる大問題だと思うのだが。

僕は水道法改正が良いのかどうか分からない。都市部と田舎でもとらえかたは違うだろう。水道事業を民間に委託したら監視ができなくなるという意見があるが、公共がやっていても監視なんかしていない。だから駄目になったのだ。まずメデイアをあてにせず、関心を持つようにしなければと思う。

そしてあのオジサンは夢のパラダイス水道局に移動し無事に定年を迎えられただろうか。