射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

「ホドロフスキーのDUNE」~今の映画は面白いか?~

好きな映画を上げろと言われたら「ターミネーター2」をあげる程度の映画好きです。

「ターミネーター2」は高校をサボって見に行った。どうしても見たかったからではない。「夜の校舎窓ガラス壊してまわった感」というか「僕が僕であるために感」というか、まあそんな感を醸し出しつつ学校をサボり1人映画館に向かっただけである。

「ターミネーター2」は最高に面白かった。
当時最先端のCGで再現されたであろう液体金属型ターミネーターT-1000の描写は恐ろしくリアルで凄かったし、アクションシーンでは実際に車が飛び、建物が爆破され、シュワちゃんは本当にバイクで激走する。今考えるとCGの作り物と本物のバランスがいいのである。
「トゥルーライズ」ではアクションシーンや爆破シーンを撮る為に本物の橋の横に、同じ橋のセットを作ったというのだから凄い。日本映画でも黒澤明が強風を表現するのに直上でヘリコプターをホバリングさせたりしている。

ひきかえ今のアクション映画はほとんどがCGで制作されている。

先日録画した「アクアマン」を観た。なぜ興味を持ったかといえば「DCスーパーヒーローズVS鷹の爪団」でアクアマンを知ったからである。こっちが先である。

さて本家の「アクアマン」であるが30分程度でしんどくなってしまい、観るのを止めてしまった。
どーせほとんどCGでしょ。俳優はブルーバックで演技して他はCGでしょと思ったらしらけてしまったのである。アクアマンに持ち上げられる潜水艦だって、海の夕景だって、二コールキッドマンのボインだって全部CGでしょ。これでは電波少年と変らないじゃん。
最後までに見ていないけど「アクアマン」より「DCスーパーヒーローズVS鷹の爪団」の方が面白い。金は掛かっていないかもしれないがよっぽと工夫している感じがする。「アクアマン」ファンの皆さんすいません。

もうどんな映像をみても驚かないし感動もしない。CGによる作り物と分かるからである。「アバター」が大ヒットしたときも理解できなかったわたくしです。

さて「DUNE/デューン 砂の惑星」という映画が公開されている。宣伝文句も凄い。ホームページも重くて凄い。

「これが、未来型シネマ・エクスペリエンス!壮大なる宇宙戦争の幕が上がるー」

でもさあ、どうせほとんどCGなんだよね。
んで砂漠のシーンだけは鳥取砂丘なんだよね。いいえたぶん違います。

さてこの「DUNE」であるが、なかなかいわく付きの作品である。
1975年に、アレハンドロ・ホドロフスキーという映画監督が企画し、スタッフキャストを決めて、詳細なプランやデザイン画、絵コンテなどを制作し、ハリウッドに売り込んだが、実現しなかったのである。なにしろ主要キャストにサルバドール・ダリやオーソン・ウェルズ、ミック・ジャガー、音楽はピンク・フロイドなど一流の才能を集め、上映時間は12時間というまさに企画外の超大作。予算も天文学的なものであったろう。

「ホドロフスキーのDUNE」というドキュメンタリー映画がある。
「DUNE」を制作できなったホドロフスキーが、そのときの裏話やエピソードをひたすら話す映画である。これがおもしろい。とにかくホドロフスキーが熱くて本当に楽しそうなのである。こんな男に口説かれたらみんな虜になってしまうだろう。「DUNE」は作られなかったことでカルト的な伝説になったわけだ。

さて現在公開されている「DUNE/デューン 砂の惑星」は最新のテクノロジーをまとった超大作映画になっているはずだが、それが吉と出るかはわからない。
昔のアナログ技術のほうが映画的にはリアルに見えるかもしれない。

それに映画制作の現場もコンピュータ相手の今より楽しかっただろう。それが画面にも表れるのではないかと思うのだ。