射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

王室を賛美する地に落ちたリベラリスト

エリザベス女王死去のニュースが世界を駆け巡った。歴代最長となる在位70年にわたってイギリスの君主を務めた。世界中から悲しみの声が聞こえてくる。

イギリスでは国葬が予定されている。その関連費用は60億ポンド、日本円で1兆円である。もう一度言う。日本円で1兆円である。イギリスは国の威信をかけてこれでもかと王室の伝統と権威を見せつけてくるだろう。

日本では天皇陛下が参列する予定である。岸田総理も参列するという。
現在ヨーロッパは、長引くウクライナ戦争、そして冬を迎えるにあたりエネルギー問題も重要課題であり準戦時下ともいえる大変な状況である。このような大規模な葬儀は外交の場となる。イギリスは金融、そして情報の国でもある。情報や外交でイニシアチブをとる格好の舞台となるだろう。
日本では岸田総理の出席を疑問視する声がある。天皇陛下が行くならキシダが行く必要はないとの主張である。しかし外交の舞台となるであろうエリザベス女王の国葬に総理が行くことは理にかなっている。天皇陛下に任せろというのなら、天皇陛下に政治的権限を持たせるべきである。
逆説的には「天皇陛下は政治に関わってはならない」というのはその政治性を証明しているわけだが。

イギリス王室も「君臨すれども統治せず」である。皇室と似ている部分もありイギリス王室の「開かれた王室」という方向も皇室に影響を与えている。

 

さて日本のリベラルと自称するサヨクは安倍が嫌いである。自民党が嫌いである。
そして天皇制が嫌いであるはずなのに、皇室とよく似ているイギリス王室を賛美するのである。さらに王室を支持する民意すら褒め称えるのである。

リベラリズムとは正反対であろう「王室」のもつ権威に無批判なのである。次の国王はチャールズであるが選挙で選ばれたわけでもなく、おまけに国民からは人気がないという。リベラリズムを標榜するなら民意を無視するイギリス王室は批判の対象となるはずなのだが、ならない。

安倍元総理の国葬に対する当て付けとしてエリザベス女王の国葬を持ち出しているに過ぎないとしてもその行いは愚かである。
安倍や自民党が憎いのはいい。しかし伝統ある王室を賛美するというのはリベラリストとしては自殺に等しい。地に落ちたも同然である。