射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

シンギュラリティは起きないと予測する

シンギュラリティ(技術的特異点)とは人工知能が発達し人間の脳と同等になる時点のことである。そこから爆発的に人工知能は進化し、ゆくゆくは人工知能に「意識」や「自我」が発生すると予想する専門家もいる。

巷では生成AIなるものが話題である。

人間様の文化的活動をアシストしたりあるいは奪ったりすると一部では戦々恐々としているが話題先行で有意なものではないと思う。現時点では使い方さえ間違えなければ、凄い便利な便利な文房具や百科事典の類である。

生成AIはグーグルをはじめとするIT企業が開発しているわけで、検索エンジンと一体化した巨大データベースから学習しパターンを組み合わせて創作物をアウトプットしているに過ぎない。

先日NHKのクローズアップ現代で人気声優がAIによって声を再現される危険性を訴えていた。二次創作のように趣味で作る分には目くじら立てるものではない。危険なのはテレビ局やアニメスタジオがAIで声や俳優自体を作り出し生身の俳優がお役御免になることである。番組内では声優たちが集まって政府に提言をすると言っていたがまず話し合うべきは自分達の取引先である。

アメリカでは俳優たちが大規模なストライキを行い有料配信番組やAIの活用に対して俳優の権利を守るために雇用主と戦ったが、日本では政府に何とかしてもらおうとしているようだ。いつもピントがずれている。

いずれにせよ人間の役割が完全に人工知能に置き換わることはないし、将来人工知能に「意識」や「自我」が発生することも考えられない。膨大な人間の思考パターンを学習しそこから「感情データ」を算出ても、それは固有の「意識」や「自我」に由来するものではないからだ。シンギュラリティは起きないペッパー君あたりが科学の限界でいいじゃないいか。

だいたい人間はラーメンを食べに出かけたのに忘れてカレー屋に入ってしまったりする。人間の「意識」や「自我」は当てにならないし、よくよく自分のことだってよくわからない。たまに空を見上げて「自分って何」と自問自答してしまう。

人間の意識や自我だって科学は解明できていないのに機械に組み込むことが出来るわけがないのだ。