射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

「鎌倉殿の13人」芸達者なのはいいけれど

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観ている。
コロナでヒマだからだ。まあサービス業なので、土日にこんなに休みが多いのは社会人になって初めてかもしれない。人が休んでいる日に働くのが常であったがコロナで様変わりした。平日はリモートワークが増え、たとえ出勤しても勤務時間は減らしている。おそらくスペイン人と同じくらいの労働時間であろう。よう知らんけど。

大河ドラマはつまらなくなったので、いっそギャートルズでもやれと以前書いた。自分でいうものなんだが、実にくだらない文章である。でもそんな自分がしゅき。

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「鎌倉殿の13人」は三谷幸喜原作であり、やはりというか当然というかコメディータッチである。言葉も現代語風だし、とことん軽い。ただ平安から鎌倉幕府成立についてはよく知らないので、勉強にはなるだろう。しばらく観続けようかと思う。

気になるといえば俳優の演技である。みんな個性的な人達ばかりで、それだけでお腹いっぱい。そこに加えて芸達者である。そこが鬱陶しいのである。
俳優陣はちょっとした仕草や歩き方やしゃべり方において細かい芸を入れ込もうとし過ぎているのではないかなあ。
その熱量を3割程度削って芝居をしたほうがいいと思う。落ち着いて観られるし台本の面白さも分かりやすいのではないか。今のままだと時代劇コントを見せられているような気がするのである。

先日「英国王のスピーチ」とう映画を観た。テレ東の午後の枠である。
吹き替えだったしカットもされているだろうから、完全に理解はしていないのだが、大変良かった。しかし史実に基いている話でもありストーリーはそんなにおもしろくはない。淡々と進みドラマチックな展開もない。

何が良かったかといえば俳優の演技である。特に言語聴覚士を演じたジェフリー・ラッシュが素晴らしかった。パイレーツオブカリビアンでバルボッサを演じていた人ね。

「英国王のスピーチ」出演時ジェフリー・ラッシュは60歳くらいである。実にいいオジサン顔をしている。特に技巧を凝らさなくても静かに黙っているだけでカッコいいのです。いい俳優は何もしなくてもいい俳優だと思う。

日本の俳優は(特にオジサン俳優)はみんな個性的で魅力的な顔をしている。それだけで十分ではないか。なのにみんな表情を豊かにして感情を分かりやすく表現する。するとますますコントじみてくる。

高齢者向けのドラマとかみんなそうですね。「相棒」とか。見ているこちらが恥ずかしくなってくるのです。悲しいときは悲しく、激しいときは激しくという感じが。モデル出身やミュージシャンやお笑い芸人の方が俳優としては自然な演技をすることが多いように思う。

これ演劇の影響だと思うのです。本格俳優は舞台も出来なければならないというヒエラルキーがあって、演劇の演技術がベンチマークのひとつになっているのではないかなあ。三谷幸喜脚本ということでなおさら演劇的な演出になっているだろうし。

加えて幅広い層に観てもらいたいということになると、必然的に分かりやすい演技になるだろう。なんというかターゲットを絞れていないのだ。

コア層に訴えるならば、やはり「ギャートルズ」しかないだろう(しつこい)。