射手座のひとりごと

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

徴兵制に怯える人達

徴兵制がある国は多い。日本人が模範にしたがる北欧諸国や、スイス、イスラエル、トルコ、ポーランド、ロシア、そして東アジア諸国にも多い。お隣の国韓国もそうだ。

かつて戦争は貴族や王族の専売特許であった。庶民にとっては戦争はロマンであり憧れでありカッコいいものであったのだ。それが一変したのは第一次世界大戦であったという。機関銃や毒ガスといった大量破壊兵器が史上初めて使用され大勢の兵士を使い捨てにする塹壕戦が展開したのだ。戦争は身近で残酷なものになった。

大変な荒廃をもたらした第一次世界大戦はまさに最終戦争であり、それ以降大規模な戦争は起きないだろうとヨーロッパでは信じられたくらいである。その後第二次世界大戦を経て東西冷戦が終わると、人権思想の高まりもありヨーロッパ諸国は戦争ではなく福祉に重点を置くようになった。しかしウクライナとロシアの戦争が起きた。

ヨーロッパで徴兵制の復活や兵役対象者の拡大の動きがある。ウクライナと戦争をするロシアへの警戒感が影響している。2010年に徴兵制を廃止していたがスウェーデンでは、18歳の男女を対象に兵役に就かせるというし、ドイツでは国防相が徴兵制の停止を「誤りだった」として議論が始まった。これがヨーロッパの現在である。

日本でも徴兵制が開始されるのではないかという安直な意見がある。ほとんどは自民党や岸田総理を悪魔化して怯えたフリをしているだけであるが、最近のSNSのバカ化を考えると影響力はあるだろう。できるわけがない「消費税廃止」を公約にする無責任政治家が一定の支持を得てしまうくらいである。

仮に日本で徴兵制を実施する場合、どれだけの法律を改正しなければならないか。憲法改正すら出来ない政府に出来るわけがない。総理大臣の鶴の一声で徴兵制が敷かれると思っているとしたら、自分達が望む指導者にもそうあれと思っているのだろう。

海に囲まれた日本において自衛隊の現状を考えれば、志願制である自衛隊の充実を図るほうが合理的である。「軍備より外交が大事」とういう意見もあるが、その国の軍備のありようは外交に直結している。軍備をなくしたら外交もできない。