衝撃の安倍元総理殺害事件から間を空けず行われた参院選。事前の予測は、自民党は議席を伸ばし、左翼政党は議席を減らすだろうというものであった。
僕は野党は壊滅的に議席を減らすかと思っていたが、思ったより踏みとどまった。
立憲民主党の泉代表や当執行部の責任を問う声は上がらないだろう。代わりを務める者はいないだろうし、安倍元総理の事件が与党を利したという言い訳もできる。敗北の言い訳も「アベガー」なのである。
ずっと以前から、野党にとっては解体的出直しをするべき状況になっているのだが、変化を求める声は内外から起きてこない。立憲民主党は「確かな弱小野党」として共産党と同じ道を歩むほかないだろう。
中途半端に踏みとどまったゆえ、じわじわと苦境に追い込まれてゆく。
野党がなぜここまで弱体化したのか。
野党はマスコミと連帯し、安倍一強の間「アベ」を悪魔化し憎悪の対象として口汚く罵ることに終始してきた。一部共感する人達もいただろうが、大半の人達はそんな野党に辟易したのである。左翼言論人に対しても同様である。
安倍長期政権は左翼勢力を「幼児化」させてしまったのだ。
今後世界はどんどん変わってゆくし、左翼勢力が持ち直すことはもうだろうなと思う。「アベガー」と言っていればよかった時代はもう来ないのだ。
安倍さんが逝去されて一番困っているのは野党であり、進むべき方向も見えなくなっているのではないか。「自民党がしっかりするためには野党が強くならなければ」とかつてよく言われた言葉も聞かなくなったし、マスコミもかつてのような力はない。
近い将来振り返ったとき、今は戦後民主主義の転換期であったということになるのだろうなと思う。
