射手座のひとりごと

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

つぶれろPTA

PTAについて書く。僕は父親であるが子供が小学校のころからPTA活動や役員ぎめなどに参加している。そして思うところがあるので、意見を言う資格はあると思う。

以前、ある自治体の公共施設に出入りしていたことがある。その施設は教育関連なのでPTA活動の拠点となっていた。施設では様々なPTA関係の集会やら会合が開かれていて、暗黙の了解でPTA専用になっているスペースがあった。

その某市では各小学校にPTAがある。それらを単位PTAと呼ぶ。次にそれらをまとめる各区P協議会があり、さらにその上に市PTA連絡協議会がある。そして関東ブロックPTA協議会、日本PTA全国協議会と続くのである。とんでもない縦割りの巨大組織だ。

巨大生物の細胞の1つのような学校のPTAでは、独自路線を打ち出すことなんかできない。前例がないとか区Pの許可が下りないなどと言われるのである。

僕も参加したことがある悪名高き「役員ぎめ」は小中学校とも酷いものであった。通常の保護者会の後に行われ、役員が決まるまで帰らせてくれない。「前回は夜の10事までかかったクラスもあったのよ〜誰も手をあげないとそうなっちゃうよ〜」と役員ぎめ担当役員からやんわり言われ、時間だけが過ぎて行く。最後は「役員は嫌なんだけど、この空気はもっと嫌で、もう早く帰りたい」と考える人が手を挙げてくれる。その自己犠牲の精神は教室を感動に包むが、感動したらいかん。

もし子供が3人いたらその分のPTAに関わらなければならない。もし小・中・高と別れていたら…、僕なら気が狂うだろう。1人娘でありがとう。わが子よ。

娘が高校に進学し、さすがにPTAなんて大した活動していないだろうと思っていたら、そうでもなかった。小中学校なみに活動していて、役員ぎめなども同じようなものであった。高校の入学式が体育館で行われ、終了後にそのままクラスごとに椅子を車座にして役員ぎめが始まったとき、暗澹たる思いがした。こりゃ逃げられない。しかも高校ではPTA会費は学費と同じ口座から引き落としで強制的に払わされる。

僕はその後、離婚して父子家庭になったのを理由に役員などは断りやすくなったので良かった。これは本気で離婚して良かったと思う理由の1つなんである。

PTA活動は多岐にわたるが実際は必要のない物も多い。必要のある物も、その都度ボランティアを募れば済むものだ。ボランティアでは集まらないという意見もあるが、PTAがあるから結果的に無関心になっているのだ。

そしてPTAの仕事をインターネットが激変させた。作成中の資料や写真、役員や生徒の名簿などがネット上のドライブに無造作におかれ、みんながスマホでアクセスできる。便利な反面、情報の管理がずさんになっている。運動会の顔写真のプライバシーには気を使うくせにネット上では個人情報をいい加減に扱っているのだ。

そして大体の学校ではPTAに対して先生方は冷淡だ。年度の初めに先生方の紹介を広報誌に掲載するが、あからさまに非協力的な先生もいる。PTAのTはティーチャーの筈なんだが……。もはやPTAは単なる身勝手な保護者会でしかない。

おまけに、思うところあってアンケートに意見を書くと電話が掛かってきて「問題意識があるならぜひ役員になって意見を言ってください」と言われてしまうのである。

中にはPTAをボランティア主体の運営組織に改革できたところもあるようだが、大変な苦労があったんだろうと思う。尊敬します。