最近耳にしないが「進歩的文化人」という言葉がある。進歩の先には社会主義があり、護憲や非武装、戦後民主主義の維持などを訴える人たちの呼称である。漠然とリベラルな人たちを指す言葉でもある。その中には明確に社会主義者と名乗る人たちもたくさんいた。ソビエトが崩壊し、社会主義の実現は夢と消えた。社会主義者を名乗る人はいなくなった。みんな看板を掛け替えて「市民活動家」「社会学者」「平和活動家」「組合活動家」などとなった。
そのほかにも、政治家、マスコミ、小説家、俳優などに同じ系統の人がいる。自称「メディア・アクティビスト」は都知事選で鳥越俊太郎を応援した人だっけ。
この種の人たちは戦争したり悪さをするので「国家」はなくなるべきものだと盲信している。そしてなんとなく「無政府共産」を志向し、すべての市民は「国家は共同幻想である」と信じるべきだと考えている。問題はその実現のためには国家を転覆させるしかなく、そんなことできないなあ、かえって平和を乱すと市民におこられちゃうなあとぼんやり考えている。そういうことに思い悩むことがインテリの証明でカッコいいと思っているのだ。なんとも平和である。だいたい国が安泰でないと、批判する対象がなくなり仕事に差し支える。
こういった趣味・思考を持つ人たちをどう呼ぶか結構悩む。「左翼」「革新」「サウスポー」「左巻き」「お花畑」「リベラル」「コミュニスト」「アカ」「こっち寄りじゃなくてあっち寄り」「あっち寄りじゃなくてこっち寄り」うーんどれもなんか違うし、しっくりこない。
10分ほど考えて思いついたのは「ほのぼのアナーキスト」である。これいいんじゃない。なんかカワイイし、すこし革命のワイルドみも残しつつ、ゆるキャラっぽさもある。
まあ広める気はないので心の中でこっそり使おう。