空転日記

はばかりながら はばかる

いだてん~スポーツと政治~

NHK大河ドラマ「いだてん」を見続けている。

しかし視聴率が振るわないようだ。原因は俳優陣の舞台劇のようなコミカルでドタバタした演技である。加えて語り部である「落語パート」が素人芸の域を出ず、落ち着いて見られる部分が少ない。これではお年寄りは離れてしまうだろう。

しかし大河では珍しい近代物で、幻に終わった1940年の東京オリンピックを取り上げている画期的なドラマである。割り切って楽しんでいる。

 

さて、ドラマではベルリンオリンピックが終わり、東京オリンピック開催まであと4年というところ。ナチスのプロパガンダを前面に押し出したベルリンオリンピックに対し、東京オリンピックをいかに「スポーツの祭典」とするか、登場人物たちは思い悩む。このあと盧溝橋事件を経て支那事変に突入し、東京オリンピックの開催は返上することになるのだが。

 

クーベルタン伯爵の有名な言葉に「オリンピックは勝つことではなく、参加することに意義がある」というものがある。オリンピックの精神を表す言葉として有名である。

 

1908年のロンドンオリンピックで、ホスト国のイギリスと急速に力をつけてきたアメリカは犬猿の仲で、アメリカはイギリスから嫌がらせを受けたり、競技中にけんかになったりした。険悪なムードで、アメリカ代表からはオリンピックを途中でボイコットし帰国しようという意見も出たという。

 

そんな中、アメリカ代表は気分転換にセント・ポール大聖堂に出かけ、大主教から説教を受け、大いに勇気付けられたという。そのときの言葉が「参加することに意義がある」というもので、これをクーベルタン伯爵が知り、引用したという。

 

この大主教の言葉は、

「まあまあ、我慢ならんのは分かっけど、イギリスとケンカしてもアメリカのためにはならんから、我慢して耐えてつかあさい」

という趣旨ではないの?正々堂々と戦うというスポーツ精神を訴えるのではなく、国同士の関係性に重きを置いた「政治的発言」ではないの?

 

はじめからこんなもんである。

スポーツの国際大会なんて政治と切り離すことなんて出来るわけがない。

「政治とスポーツは別」。この言葉は政治から出るものである。

あらゆるオリンピックは、ヒトラーのベルリンオリンピックと大差はないのではないかと思える。方向性が違うだけである。

 

「いだてん」の登場人物、田畑政治はロサンゼルスオリンピックで金メダル至上主義を掲げる。真意を問われ「日本を明るいニュースで満たしたい」と言う。

これだってプロパガンダである。