射手座の魂

はばかりながら はばかる

世界SF作家会議

フジテレビで深夜に放送された「第3回世界SF作家会議」を観た。

いとうせいこうの司会で「100年後人類はどうなっているか」をテーマに国内外の著名なSF作家がオンライン形式で会議をするという番組である。

新井素子、冲方丁、陳楸帆、樋口恭介、劉慈欣、キム・チョヨプ、ケン・リュウなどが出演していた。

出てくる意見はおおむね人間の将来に悲観的である。科学や通信技術の発達に伴い人間は、自立性や身体性を失ってゆくという主張が主である。

具体的には、チップが埋め込まれ脳がオンラインでネットワークに繋がれるとか、ナノマシンを体内に入れることで病気は激減するがあらゆる情報が共有され監視社会になるというもの。うーん、なんというかツマラナイ予想である。そもそも現在の科学技術の水準からすれば、誰でも予想できるものであるし、すでにそれに近い状態になっている。

SF作家には荒唐無稽で誰も想像し得ない未来を提示してほしいと思った。明るい未来でも暗い未来でもいいから。

別に預言が外れたからって誰も責めはしないのに、社会学者的主張から出ようとしない。

そんな中、新井素子だけ「100年後も人間はそんなに変わらない」と主張した。どんなにネットワーク技術が進化しても、人間の本質は変わらないという。スマホアプリもよく分からないという新井素子の時代錯誤な主張だろうか。

人間を信じ、その特質を奪う存在に抗うその姿勢はカッコいいじゃないか。これこそSFである。

社会学者的大喜利の中で新井素子は一人輝いていた。

ガンダムに登場する「ニュータイプ」は、宇宙空間で活動することにより意識や知覚が拡大した進化した人類のことである。最終話では戦友達が「ニュータイプ」として獲得した能力でアムロを導き帰還させるのである。ガンダムは戦争をリアルに描いたと紹介されるが、SFとしての「人類の進化」がテーマでもあるのだ。名作と呼ばれる所以である。

これからSF文学はおもしろいものを創れるのだろうか?アニメに負けてるよね。