射手座のひとりごと

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

インボイス制度とはなんぞや「法人の国」ニッポン(12/3追記)

先日、泉のほとりでハープを弾いていたら、ハイキング中のドイツ人が怪訝な顔をして聞いてきた。

「日本人はなぜインボイス制度に反対しないのか。衆院選の争点にならないのはナジェスティー?」
うむむと考え込んでしまった。そもそもインボイス制度を知っている人が少ない。大手のメディアは歯牙にもかけない。税理士さんもよく分かっていない人がおり、これでは世も末である。まったく無知蒙昧の愚民どもめガハハハ。

ふう……、さてインボイス制度とはなんでしょうかね。

役所に意見を言えばなんか考えてくれる電話相談室みたいなもの?すぐやる課的なやつ?申し訳ございません。私も全く知りません。しかたがないので調べてみた。

 

インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは請求書や納品書の交付や保村に関する制度で、目的は取引の正確な消費税額と消費税率を把握することなのだにゃ。

フリーランスなどの免税事業者は適格請求書が発行できず、取引先の課税業者は仕入税額控除を受けられなくなり損になるのでやんす。

すると取引を断られる可能性があるッス。

取引を続けたければ適格請求書発行事業者登録をして、いままで免税されてた消費税を納税しなければならないでゴワス。

コピペだとバレないように少々アレンジを施した。

 

なるほど今まで消費税を払ってこなかったフリーランスや個人事業主などの免税事業者のにとっては死活問題になるかもしれない。

インボイス制度の導入が決定されたのは平成28年で、令和5年からの導入が予定されている。そして適格請求書発行事業者の登録は今年10月1日から始まっているのである。

そんなに前に決まっていたのか……。

これでは反対の声をあげても、時すでに遅しだよなあ。
なぜ今まで何も言ってこなかったのか。しかし本来払うべきだった消費税を「益税」として懐にいれてきたのであるから詳細に説明されると分が悪い。

加えて、一般的には賛成だ批判とかいう以前にまず知っている人があまりにも少ない。したがって選挙の争点にもならない。ちょっと異様ではある。

この無関心は日本が「法人の国」であるからだと思う。
法人といえば会社、地方公共団体、財団法人、社団法人、医療法人、宗教法人、NPO法人、などなど。そういった法人が中心となって日本社会は動いている。だからこそ「個人」に対して無関心なのである。
ジャーナリズムを担うはずのテレビも新聞もみんな法人である。デモ隊もこっそり暴力革命を画策している人達も元締めは法人である。Dappiもね。

この「法人の国」では、フリーランスなどの「個人」はあちこちにある隙間をうまく埋めてくれる存在だったのである。苦労もあるが、お目こぼしもあったのである。
しかし少子化高齢化が進み成長は停滞し、だんだんとそういう隙間がなくなりつつあるのではないかと思うのである。

 

(2021年12月3日追記)

選挙は終わった。12月に入ると「インボイス制度」はツイッターのトレンドワードに入り、反対の署名なども始まったようだ。キャンペーンのキャッチフレーズは

《STOP!インボイス》弱いものから搾取し、多様な働き方とカルチャーを衰退させるインボイス制度を廃止してください!

である。うーん左翼臭がプンプンするなあ。中には消費税自体を廃止しろという主張も散見される。

大体の社会運動がそうであるように「感情的で情緒的な運動」を展開すると、自分たちの「虐げられる弱者」という面を強調するので卑屈になる。しかも制度自体は合理的だし海外でも導入されているとなると、反対運動は分が悪い。

インボイス制度を導入したフランスではフリーランスの多くは「適格請求書発行事業者」にはならず、消費税を支払わない道を選んだらしい。日本もフランスにならえばいいんじゃない?

フリーランスで連帯して「適格請求書発行事業者になりません運動」を展開すれば良いのである。

「お役人の事情も分かるが勝手にやれよ。そう簡単には従わないぜ」という姿勢が大人でクールではないかなと思うのである。違法でもないし。

新しい隙間をつくればいいのである。