射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

朝日新聞はどこの異世界を見ているのか

イタリアでもホモでありたい
という回文をネットで見つけてからというもの、思い出し笑いに困らない私だ。

ついでに発行部数が落ちる一方のオールドメディアの雄たる朝日新聞のサイトに潜入し社説を読んでみた。

朝日新聞は左翼リベラルにして空想的平和主義の守護者として君臨してきたが、昨今のウクライナ戦争や中国の不穏な動きなどの世界情勢から学べば、ある程度の現実主義も受け入れているのだろうと思っていたがそうでもなかった。というか変わっていない。ある意味超保守とも言える。

さてその社説は5月11日付「海保と自衛隊 厳格な役割分担維持を」である。

内容としては「海の警察」である海上保安庁は、有事の際には自衛隊法80条に基き防衛相の統制化に入ることもあるのだが、それについて政府が初めて「統制要領」を策定したことについて。

その統制要領では、有事の際海上保安庁は閣議決定で統制下に入り、防衛相の命令は海上保安庁長官を通して行われ、自衛隊は戦闘に集中し、海保は住民の避難や人命救助を担当しその権限や任務は平時と変わりない。海保は軍事組織ではなく、戦闘地域に入ることはないというタテマエである。朝日はこの政府の姿勢を「妥当なものだ」とする。まあそうでしょう。こうあるべしというタテマエですから。

興味深いのは冒頭の部分である。

ただ、海保が軍事組織と見なされ、攻撃の対象となっては元も子もない。お互いの厳格な線引きは維持されなければならない。

戦争が起きたとき軍事組織しか攻撃の対象とならないという考えらしい。つまり敵国から攻撃を受けるのは軍事組織である自衛隊だけだと考えているようだ。

だがちょっと待ってほしい

ならば現在ウクライナで軍事組織ではない一般市民まで戦闘に巻き込まれているはなぜか?イスラエルでは一般市民も核シェルターを持ってるのはなぜか?東京大空襲や原爆の目標は軍事組織に限定されていたか?戦争で非軍事の民衆や公僕が犠牲にになった例は数多あるのだが。

こちら側が軍事組織と非軍事組織の線引きをしっかりしたとして、敵国がそれを尊重してくれるはずがないだろう。まったく他力本願寺である。これは憲法9条と同じ構図であって、日本が平和を誓ったところで他国にとっては知ったことではない。

加えて戦争になったら自衛隊だけが犠牲になればいいという意地の悪さがまろびでるクオリティ。

この21世紀に朝日新聞はどこの異世界を見ているのか。あまりにも歴史的現実を直視しないその頭が心配である。勝手に平和を標榜さえすれば安寧が保証されるファンタジーお花畑に転生することをお勧めする。