射手座の魂

はばかりながら はばかる 虚言・妄言・独り言を少々たしなみます

宝塚は演劇界を濃縮したもの

昨日宝塚歌劇団が記者会見をおこなった。あちこちから非難の声が上がっている。

虐めやパワハラは確認されていないが、労働環境は良くなかったので改善しますといった内容であり、被害者側が納得するはずがない。

宝塚は親会社が大手鉄道会社だから、当然予想できた反応だろう。

しかし団内でヒエラルキーの上位に位置する加害側を疑い罰したら宝塚歌劇団を支える構造が崩壊してしまうからできない。

軍隊と一緒で階級は絶対であり、兵隊は上官に対し絶対服従の姿勢で望まなければならないのである。その階級制度が華やかなショーを支えている。

軍隊が社会常識や人権に配慮したら作戦遂行に支障をきたすのと同じである。命をかけてでも任務を遂行しようとするのもまた同じ。

宝塚ほと極端ではないとしてもこの軍隊的構造は演劇界でも当たり前であった。演劇界を数倍濃縮したものが宝塚問題であるといえる。

パワハラやコンプライアンス問題が顕在化し、演劇関係者は「昔は良かったのだが、今はダメになった」と口を揃えて言う。

いやいや昔からダメだったのだよ。

自殺するくらいならやめれば良かったのにと言うのは無責任だ。ブランド化された華やかなショービジネスの世界に夢を見、全てを投げ打ち晴れて宝塚に入ったのである。周りの期待はすごいだろうし、失敗したら人生終わりと考えるだろう。

嵐が過ぎ去るのを黙って見ている関係者達は自分たちの世代だけがなんとかなればいいと思っている。こんな業界を残される次の世代が可哀想だ。

ジャニーズに宝塚と芸能界の歪みが顕在化し失墜した1年であった。あとは一部のファンに支えられつつ衰退するのみだろう。